( ´H`)y-~~「D-WAR」と「華麗なる休暇」【韓国時事:文化:映画】
( ´H`)y-~~さて、今日は韓国映画の話題を。
【『華麗なる休暇』、観客動員400万人超…今年最高の興行記録】(朝鮮日報8月10日)
【『D-WAR』、公開9日目で観客動員400万人突破】(朝鮮日報8月11日)
…と、今、韓国ではふたつの映画がヒットしているのだとか。
韓国版の記事を読んだりしていると、今、かなりホットな話題である。それも、単に娯楽としての興味だけではないらしい。
韓国で映画が大ヒットを飛ばす場合、たいていは背景に政治的な理由があったりする。今回、特にD-WARがヒットしている背景には、「ハリウッド進出」という大風呂敷で韓国人の「愛国心」を刺激したからだという見方も有る。
>ハリウッドのブロックバスターで興行の成功を祈る愛国的ファンらが、駄作の怪獣映画を心情的に支えた結果だ、とのこと。「いまの時代に愛国心で映画を見てやれるものか」、「既成の映画関係者はしっかりするように」という激しい反論が殺到する。
( ´H`)y-~~D-WARの場合は、監督したシム・ヒョンレ氏がコメディアン出身で映画界の主流ではなかったことや、派手な特撮が売りの怪獣映画だという見方もあり、映画界での前評判はあまり良くなかったらしい。先日はMBCで映画がテーマの討論番組があり、その中でD-WARを酷評した進歩的文化人の陳重権氏がネットで袋叩きにされるなどのこともあった。
• 陣中圏 "映画 'デ−ウォー' ヤンググオブダと違うところない" 批判 (朝鮮日報8月10日)
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2007/08/10/2007081000136.html(韓国語)
…概して、「進歩」的な文化人や映画人の評判は良くない。
しかしながら、これが進歩的言説に反感を持つ層の韓国人には逆に刺激になったらしい。
と、いうのも、もう一つの「華麗なる休暇」のほうは、全斗煥政権時代に光州で起きた民主化運動を弾圧したとされる、いわゆる光州事件を扱っていて、韓国の左翼には魅力的なテーマを扱っている。金大中氏などの著名人も見たとのことで、大統領選挙を控えたこの時期においては、政治的意味合いがあると見られてしまうのは仕方が無いかと思う。
DJ `派手なお休み' 見て涙 (朝鮮日報8月9日)
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2007/08/09/2007080900948.html(韓国語)
では、朝鮮日報韓国版から関連記事を。
原文
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2007/08/09/2007080901096.html
翻訳
http://j2k.naver.com/j2k.php/japan/http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2007/08/09/2007080901096.html(朝鮮日報8月9日)
[寄稿] 光州の映画, コメディアンの映画
ビョンフィゼビックニュース代表・韓国インターネットミデ−オヒョブフィ政策委院長
極甚な興行日照りに苦しんだ韓国映画界に二篇の興行大作が疾走している. 5・18 光州抗争を背景にした ‘派手なお休み’と, ハリウッド劣らないグラフィックを誇る ‘デ−ウォー’がそれぞれ 500万観客動員を目の前に置いている. この二つの映画の興行には去年 1000万観客時代を開いた興行作 ‘王の男’と ‘化け物’とは確かに他の力が作用している.中略
しかし二つの映画の間には決定的な差異もある. ‘派手なお休み’が進歩及び新与党言論, そして映画言論の集中的な支援をもらっていることに惚れて, ‘デ−ウォー’は映画界内で通り過ぎるほどの酷評に苦しんでいる. これまた二つに分析される.
中略
映画界が ‘デ−ウォー’に送る疑惑は, 作品自体ではなく愛国心を先導してフングヘングモルイに出ているという点だ. しかし大韓民国文化産業界で映画界位愛国心に訴えて来た所はない. 韓国映画が 70%のマーケットーシェアを記録する時にもこれらはスクリーンクオーター射手のために愛国心を活用した. これに対して国民の視線は冷ややかだった.
シムヒョングレ監督はむしろこのような大衆の心理により積極的に近付いた. 忠武路映画界が “米画入って来れば韓国映画すべて死んだら, クオーターで阻まなければならない”と言う防御的愛国心によったこととダリ, “関心を持って私たち映画の面倒を見ればアメリカ市場も私たちが占めることができる”と言う攻撃的な愛国心を刺激したのだ.
( ´H`)y-~~以前も【( ´H`)y-~~スクリーンクォーター制】で少し触れたけど、韓国では映画産業保護のために韓国映画の義務上映制度「スクリーンクォーター制」があるわけだが、米韓FTAの関係でこれ縮小されることになり、映画界は盛んに縮小に反対してきた…ところが、D-WARを監督したシム・ヒョンレ氏は、そういう後ろ向きな「愛国心」ではなく、「ハリウッド進出」という積極的な愛国心に訴求したという要素があるのだとか。
ま、だいぶ以前からスクリーンクォーター制については、縮小反対を叫ぶ映画界に対して、「自分の利益追求じゃないか?」とか、「保護より自由競争で力をつけるべき」という反対意見もあったし。
では、コメント欄から。
• バックギョングゴン (pkg200023)
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派手なお休み作った監督は大邱出身で光州の真実が分からなかったことに反省する意味で作ったと言う. 光州が 27年前だ. 625街 1953に終わったが 27年後の 1980に 625 映画作った時話題を催すことができただろうか? ない. それは 625は明白で光州はまだ覆われているからだ. 覆わせたのでもなくて [事実]たちはふやしているのにみんな歪曲してそっぽを向くから覆わせていること同じだ. (08/10/2007 22:08:14) (08/10/2007 20:39:10)• ギムデホング (antiroh)
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うーん, デ−ウォと派手なお休みの差異をとてもよく説明してくださったな. 非常に鋭い分析だ. そうだ. 忠武路と政権がひそかに通じて彼らがそのように騷いで来た '既得権'の正体がどれなのか見せてくれるのだ. 時代が変わるということをなぜ悟ることができない. スクリーンクオーターつぶしてしまおう. (08/10/2007 20:13:41)
( ´H`)y-~~このように、韓国人的にも、立場によって、大きく二つのヒット映画への評価は割れているらしい。「韓国で大ヒット」の背景にはかなりの部分「韓国固有の事情」もあったりする。
( ´H`)y-~~「グエムル」の場合も単なる「怪獣映画」ではなくて、「韓国の政治不信」や「両極化」などの社会問題が背景にあり、そういう状況で「家族・血縁集団」という伝統的価値への回帰が韓国人に受けたと言うことがあったりするわけで…単に「韓国でヒットしたから」というだけで日本に輸入してもヒットするとは限らないわけで。